海老蔵事件に見る闇ビジネスの可能性
12/20 週刊プレーボーイより
相手の髪の毛をつかんだり、灰皿にテキーラを注いで飲めとすごんだり-。
人気歌舞伎役者、市川海老蔵(33歳)が夜の西麻布でフルボッコにされた事件、犯人とされるI(26歳)が暴行に及んだのは、そんな梨園のプリンスの横柄さにキレたためとされているのだが・・・・。
Iは六本木を根城とする、都内最強の呼び声が高かった暴走族グループにかつて出入りしていたという。
その暴走族グループの内情に詳しい人物A氏がこうささやく。
「海老蔵の尊大な態度にキレた? そんな単純な動機だけで起きた事件じゃないよ。あの夜、成田屋(海老蔵)と一緒に飲んだ連中には別の思惑があったと聞いている。あわよくば“殴られ屋ビジネス”を仕掛けようと虎視眈々と狙っていたとね」
殴られ屋ビジネス? 初めて耳にするフレーズだ。
「バーやクラブで有名人に近寄り、わざと怒らせて相手に暴行をさせる。その後、警察に被害届を出すと脅して示談に持ち込み、大金をせしめるという闇ビジネスだよ。わざと車にぶつかって治療費をせしめるあたり屋稼業ってやつがあるだろ? 殴られ屋ビジネスは、あの当たり屋の夜の酒席バージョンと考えればいい」(A氏)
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もしこの情報が本当だとすれば、仮に海老蔵が先に手を出して、相手に怪我を負わせたとしても、それは怪我をした側の思惑通りのことであって、本当に痛くなったのは、殴った側の海老蔵になっていたかもしれない。
今回、海老蔵は、何らかの手違いにより、自分自身がフルボッコされてしまったため、“殴られ屋ビジネス”により大金を支払わなくて済んだ可能性がある。いや、大金だけでなく、海老蔵自身が、暴行犯となれば、歌舞伎界から永久追放の可能性もあったわけで、それが無期限の活動停止で済んだのであれば、それそこ不幸中の幸いと言えるだろう。
今回の海老蔵事件の真相はともかく、この様に有名人を狙った“闇ビジネス”は実際にあってもおかしくない。
政治家も、それがたとえ地方議員であったとしても、ちょっした有名人であることに代わりはない。酒席において、または男女が出会うような場所、または大金のやり取りがあるような場所などは、何かとトラブルに巻き込まれないとも限らない。
私は常々、政治家が海外に行くときは、配偶者同伴で行くべきだと主張している。時に男性政治家を海外に行かせる場合は、どれだけの悪意が、その政治家の周りに蠢いているかをよく考えた方が良い。
よく男性政治家が配偶者である妻と同伴で海外に行ったりすると、
「税金を使って家族旅行させることはない」などの批判がマスコミを通じて出てくる。
しかし、それは世の男性がどのような動物なのかを知らない人たちによる軽薄な批判である。配偶者を海外に同行させる費用と、その人物から、軽々と国家機密に関する情報が、他国に流れてしまう危険性を考えたとき、どちらが国家にとって一大事なことなのか、よく考えた方が良い。
むしろ、政治家が海外に行くときは必ず妻を同伴させ、身内に自然と監視役を務めさせ、その男性がハニートラップなどにかからないよう気をつけるべきである。
ちなみにハニートラップとは、女性スパイが対象男性を誘惑し、性的関係を利用して懐柔するか、これを相手の弱みとして脅迫し機密情報を要求する諜報活動のことである。
ハニートラップというと、男性のスケベ心が原因であり、品行方正かつ厳格な心を持って望めば、そのような失態はないと思う人もいるだろう。しかし、相手は正に“罠にはめてやろう”と考えて近づいてくるプロなのだ。全ての男性に性欲がある以上、そのような積極な誘惑行為に対して、どれだけの男性が、そのハニートラップの罠にかからずに帰国できるかなど、わかったものではない。それは女性も全く同じである。
対象は政治家だけでない。大企業の重役、および自衛隊隊員なども、その対象になる。とにかく、その立場にある人でなければ知り得ない機密情報を持つ人たちは、全てスパイの対象なのだ。
この様に考えると、無闇やたらに繁華街に出かけたり、大酒を飲んで酩酊したりすることは、どれだけ無防備な自分を、悪意ある人たちの前にさらけ出す危険な行為なのかおわかりいただけるだろう。
世論は、小さなお金に対してケチケチして、「税金の無駄遣いだ」と批判することよりも、わずかな投資によって、大きな国家的損失を防ぐ可能性があることに対して、同時に想像力を持つべきである。
とにかく、海老蔵クラスの有名人が、一人で夜の町をフラフラしていること自体、危機管理がなっていないと言わざるを得ない。
2010年12月10日