根本的な思想が間違っている
叫び声、直後に「ドン」 コースター転落死
2011年1月31日6時0分 asahi.comより
30日午後、「東京ドームシティアトラクションズ」(東京都文京区)で発生したコースターからの転落事故。にぎわう休日の遊園地で、順番を待つ子どもたちの前で悲劇は起きた。アルバイト任せにしていた施設側の安全バーの確認に問題はなかったのか。
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なんとも痛ましい、悲惨な事故である。
記事にもあるように、この事故原因を「安全バーの確認」の有無に求めているようだが、この様な発想では、事故の再発を防止できない。
① 機械は必ず壊れる
② 人間は必ず間違える
この2つの思想を徹底して、頭にたたき込んでおかないと、機械の設計はできない。
「フェイルセーフ」という考え方がある。なんらかの装置・システムにおいて、誤操作・誤動作による障害が発生した場合、常に安全側に制御すること。またはそうなるような設計手法のこと。
何百回も、何千回も行えば、機械は必ず壊れる。その場合、壊れた機械は、同じ壊れるにしても安全に制御されなければならない。
全く同様に、人間も何百回、何千回も行えば、必ずミスをする。その場合、同じミスでも、安全に誘導されるようなミスとなることが望まれる。
わかりやすく、一つ例を挙げる。
交通事故一つ取ってみても、「飲んだら乗らない」これは、個人の注意を促すスローガンである。これでは飲酒運転は無くならずダメなのだ。
「飲んだら動かない」車内の至る所に、空気中のアルコール濃度を測る機械があって、それがある一定の濃度以上になると、車が動かないようなシステムにしてしまう。
これこそが、フェイルセーフの考え方だ。
日本製品はとても優れているので、日本国民は、機械に対する信頼度が高いのだろうが、特にエレベーターなど、詰め込もうとする考え方を私は支持できない。
「早く、早く、まだまだ乗れるから乗っちゃいなさいよ」
そう言って、仲間を呼び込み、エレベーターを満員電車状態にしないと気が済まないおばちゃんとか、私からすると、信じられない発想だ。
機械は壊れるのだ。何千回、何万回、壊れない機械であっても、何十万回ならば、壊れてしまうかも知れないのが機械だ。
そのような頻度以上にミスをするのが人間である。ミスをしない人間などいない。どんなに気をつけていようが、律儀な人だろうが、ミスをする。「ミスをする人間」を前提に、システムは構築されないと、とんだ事件が起こるというものだ。
http://www.t-ken.jp/diary/20101207/
2010年12月7日の日記で、私は車の安全装置の義務化を積極的に行うべきだと主張した。
他の私の主張に比べると、共感する方が少ない主張なのだが、この様な事故があると、私の主張は間違っていないと、改めて感じる。
>人は時に間違えたり、愚かなことをしてしまう動物である。
>そして、その可能性は、常に自分自身にもありうる。
例え人間がミスをしても、それほど事故や事件が大事にならず、ましてや人命が失われないような社会を作っていくことが、政治に課せられた仕事である。
2011年02月01日