安易な値上げは許さない
一層の節電呼びかけへ…経財相、料金上げ提案
(2011年3月25日12時45分 読売新聞)
政府は25日午前、首相官邸で電力需給緊急対策本部(本部長・枝野官房長官)の会議を開き、冷房で電力需要が増大する夏に向け、経済活動や国民生活の大幅な見直しも含む節電を呼び掛ける方針を決めた。
〈1〉工場・オフィスなどの夏休みの延長・分散〈2〉使用電力の上限設定〈3〉家庭用省エネ機器の普及支援――などを検討する。国民生活に影響が大きい計画停電を最小限にするのが狙いで、4月中をめどに具体策をまとめる。
海江田経済産業相は会議で、今後の電力需給について、「2割前後の供給不足が生じる恐れがある」と述べた。需要側の対策に加え、供給側は火力発電所の復旧を急ぎ、火力発電所の新設や地域間の電力の融通を容易にする策を検討する。
与謝野経済財政相は「大事なのは生産拠点に連続して電力を供給することだ。そのためには一般家庭などの節電をお願いする。もう一段の節電には、電気料金の体系を変えるべきではないか」と語り、一般家庭の電気料金引き上げを提案した。
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支払いを避けて通ることができないという意味では、電気料金は、税金と同様な性質だと言える。
例えば同じく1万円取られるのに、税金で1万円取られるのは納得できないが、電気料金で1万円取られるのは納得するという人はいるだろうか。
取り方論の違いだけであって、庶民の懐から、同じ財産が目減りすることに違いは無い。
税金の使われ方、取り方、公務員の給与のあり方など、税金のあり方について、様々な議論があるわけだが、公共料金、とりわけ電気料金などについては、税金同様の議論があって良い。
電力会社の役員、職員の給料のこと。その使われ方。
議員も国民も、「支払いを避けて通ることができない」というお金について、税金については厳しくチェックするが、それ以外のお金についてはチェックがアマアマだろう。
これでは、国民の財産を守ることはできない。
民間と言えども、国策にのっとった独占企業については、公務員に殉ずる扱いとして、職員の給与体系や使途明細など、様々な国のチェックを必要としなければならない。
今回、原発事故、計画停電等、様々な形で、国民に迷惑をかけたにも関わらず、職員たちが、自ら身を削るようなことをしていない段階での料金値上げは安易すぎる。
将来的には、料金値上げが必要なことは、国民ならば、誰もが理解できないわけではないだろう。それにしても、値上げに対する周知徹底期間、または、その間の東電職員、及びその周辺責任者に対する処分など、原発事故が落ち着いた後に行わなければならないことが山ほどあるというのに、まずは値上げの話から出てくるというのは、虫が良すぎる。
私が日頃から言い続けている高速道路も含めて、代替不可となる公共物を管理運営している巨大で特殊な民間企業は、その特徴故に、公的組織、公務員に準ずる扱いとして、厳しく、国家、国民の監視を受けるようにしなければ、組織が腐っていくだけだ。
2011年03月25日