田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

違った意見を持つ専門家の声を聞け!

「会社はコスト優先」 原発の元技術者ら ネットで自己批判
(03/23 06:55) 北海道新聞より


 東京電力福島原発を造った大手重電の元技術者たちが事故発生以来、インターネット放送などで自己批判と原発政策の告発を続けている。
 「もっと声を大にして言い続けるべきだった」。東芝で放射能を閉じこめる原子炉格納容器の耐性研究グループ長だった後藤政志さん(61)は話す。1979年の米国スリーマイル原発事故などで、格納容器内が異常に高圧になるとわかり、放射能物質ごと大気に放出する弁を付ける事になった。
 「フランスは、内圧が上がりにくく、放射能物質が漏れにくい巨大なフィルター付き格納容器を造った。われわれも必要、と議論したが、会社は不採用。コストだなと思った」と後藤さんは言う。
 「高台に建てたり、防水構造にしたりしていれば。想像力が足りなかった」。60年代、国内に技術がなく、津波を想定しない米国の設計図をコピーして第1原発を設計した元東芝社員小倉志郎さん(69)は悔やむ。
 4号機の設計にかかわった元日立グループ社員で科学ライターの田中三彦さんは今回「政府や公共放送が危機を正しく国民に伝えていない」と感じている。「格納容器内が8気圧になった時、普通は4気圧などと流していた。普通は約1気圧で、4気圧とは事故に備えた設計値だ。8気圧なら異常事態なのに、パニックにしないという配慮が多すぎる」
 3人はこれまでも匿名、あるいは著作、集会などで原発の危険性を訴えてきた。だが国や企業から返ってきたのは「冷笑だった」(後藤さん)。
 東京のNPO環境エネルギー政策研究所顧問竹村英明さん(59)は「日本には許認可権を持つ経産省、学者、電力会社などで作る原発ムラがある」という。竹村さんによると、ムラは強力で、疑問や批判を口にする技術者を村八分にする。3人がそうだったという。放送は、動画中継サイト「ユーストリーム」や「ユーチューブ」などで見られる。
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 科学のことは素人にはわからない。しかし、対立する違った考え方を持つ科学者や専門家の意見に耳を傾け、どちらが正しいことを言っているのか、それを信じる能力を素人は持っている。
 一方的に何かを信じ込まされるのではなく、違った意見の中から、自分は何を信じるのか。そこに様々なメディアが大きな役割を果たしている。何を信じるのか、選択権が素人にある分だけ、素人にとって、現世とは昔と違って、良い世の中である。


 さて、原発事故が現在進行形で起こっている。常々私は、「科学を盲信する事なかれ」と説いている。
http://www.t-ken.jp/diary/20101031/
 こちらに同様なことを書いた。


 科学を盲信することで引き起こされる悲劇を繰り返してはいけない。
 科学的考察は尊敬に値するが、科学的考察を検証しようがない“現代”という限られた時間軸によって盲信し、それを素人に押しつけようとしないように、むしろ科学者たちの方が慎重になるべきではないだろうか。


 だからこそ、常に、違った意見、少数意見にも耳を傾けることが重要なのだ。科学も政治も、異端の少数派をないがしろにしてはならない。


2011年03月26日