「うんこ演算」にみる政治と市民をつなぐインターフェース
読者は「うんこ演算」なるものをご存じだろうか。
http://bmkids.kayac.com/unko/
ホームページに書かれた文章を引用すると以下のようになる。
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子どもにとって魔法のことば「うんこ」
普遍的であり100年後も通用するモチーフです。
問題が全部「うんこ」で出来ています!
漏れなく、100%うんこを使用しています。
「うんこ演算」は応用が簡単です
公式を覚える必要はありません。
問題文を「うんこ」に変えるだけですぐできます。
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なんだこれは?
そう思う読者も多いと思う。
しかし、以下の設問を読んでもらえば、その意味が解るだろう。
問1
ゆうき君はうんこが漏れそうです。ゆうき君は分速50mで歩いて公園から家に帰ろうとしています。公園から家まで920mあるとすると、何分何秒で家に着くでしょうか。
私はこの設問を初めて読んだとき、笑わずにはいられなかった。
それと同時に、何て楽しい設問なのだろうと、思わず答えを計算して求めようとも試みた。
大人でもこの様な反応なのだ。子どもたちならば、きっと騒ぎながらでも、この問題に興味関心を持って、「解いてみよう」と思うに違いない。
その時、「あー、今の政治に足りないのはこれかも知れない」そう私は直感した。
大学時代の恩師の言葉が今蘇る。
「難しいことを難しく伝えることは比較的簡単なことだ。難しいことを簡単に伝えるのが難しいことなのだ」
政治の話題とはとかく難しい話になりがちだ。こちらがどんなに誠実に話をしても、最初から「難しい話だ」と言って聞いてくれない場合もある。
でも、どうだろうか。子どもたちにとっての「うんこ」がそうであるように、普段、政治には興味関心を持たない市民に対しても、きっと興味を持ってもらえる、“大人の「うんこ」”がきっとあるはずだ。
政治家は学者じゃない。評論家でもない。もちろん学術的な知識を持っていた方が良いには違いないが、それよりも政治家に求められるのは、市民に何かを伝える伝達能力ではないだろうか。
私の話に、腹を抱えて笑い、考え、それに対する何か意見を聞いてみたい。たとえ大した話題でもなくても、お互いに耳を傾けられるような、そんな「うんこ」を見つけて、私はこれからも市民と語り続けていきたい。
2011年03月28日