田中けんWeb事務所

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日刊田中けん

これぞ現代版の「裸の王様」だ

孫正義も思わず「同意!」 14歳アイドルの原発批評が鋭すぎると話題に


2011年3月26日(土)20時45分 ガジェット通信より   


中学生アイドル藤波心さんがブログ『ここっぴーの★へそっぴー』上に書いた原発批評記事がインターネット上で話題になっている。
とても中学生のものとは思えない鋭く的確な内容にあの孫正義氏も自身のツイッターにて「同意!」と力強いコメントを残している。


記事のタイトルは『批判覚悟で・・・・』となっており賛否両論あることを踏まえつつも『炎上』(批判意見が殺到しブログが荒れること)も覚悟の上での投稿であったことが伺われる。


藤波さん自身も救援物資の提供および義援金の寄付を行ったことを報告しつつも、現在の原発報道のあり方や原発に批判的なことを言うと叩かれるといった世の中の傾向について疑問を呈している。


内容を抜粋すると以下のとおり。


(昨今の原発報道に関して)


「テレビでは、やたらと「安全性」ばかり強調しています。」
「汚染された野菜を食べ続けても安心です・・・。汚染された水を飲み続けても安心です・・・。」
「微量とはいえ空気中の放射性物質を吸い続け、微量とはいえ、汚染された野菜を食べ続け、微量とはいえ、汚染された水を採り続ければ・・・微量+微量+微量=イコール→??」
「計算私あまり得意じゃないけど・・・・( ̄_ ̄ i)影響があることくらい、バカな厨房2年の私でも分かるのに!!」


(原発を批判する人を叩く傾向や原発が必要だと言っている人について)


「しかも、最近は、原発の危険性を言う人は、危険をあおっていると、世の中は叩く傾向にあるようで、これは何かおかしい流れだと思うのは私だけでしょうか??」
「実は、原子力は世の中に必要なんだというだれかのPR刷り込みだということを気がついてないんじゃない?」
「失礼かもしれないけど、ある意味もう、麻薬中毒みたいなもんだと思う。」
「よく麻薬中毒だった人が、インタビューとかで、少量の麻薬なら、自分の仕事の効率上げるためには必要悪なんだみたいな風に、自分に言い訳していた・・・。とか言ってたの思い出します。」


(原発を無くすことで電力の供給が追い付かないことについて)


「今の原子力に頼らない電力の生活に社会全体のシステムを変えればいいのです。変えれますよ。」
「電力を絞れば、変わらざる得なくなる・・・。」


(アイドルという立場でこのようなことに言及することについて)


「しょーもない、B級アイドルの私が偉そうなこと言えた立場ではないことは、よくわかってる。」
「ラブ&ピース がんばろう日本!みたいなことだけ言ってた方が、アイドルとしては活動しやすいのかもしれない。」


<ここまで引用>


この他にもたくさん名言があり思わず記者も抜粋する箇所に悩んだ次第である。
この記事を読んで興味を持たれた方は是非とも原文を読んでいただきたい。


さて、この藤波心さん。5年前の9歳の時からテレビ・写真集・DVDを中心に芸能活動を行っており、現在は『ニコニコ動画』の人気コンテンツ『ニコニコ生放送』で配信を行う生主さん(生放送を行う人)として日々『大きいお友達』と格闘している。
今回の記事のような大人びた視点は幼少の頃から大人たちに囲まれた世界で活動してきたことで培った賜物かもしれない。我々の想像以上に『子どもは大人を見ている』のだと感じる次第である。


※画像は藤波心さんブログ『ここっぴーの★へそっぴー』より抜粋
http://ameblo.jp/cocoro2008/
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 裸の王様のあらすじを復習しよう。(ウィキペディアより)


 新しい服が大好きな王様の元に、二人組の詐欺師が布織職人という触れ込みでやって来る。彼らは何と、馬鹿や自分にふさわしくない仕事をしている者には見えない不思議な布地を織る事が出来るという。王様は大喜びで注文する。仕事場に出来栄えを見に行った時、目の前にあるはずの布地が王様の目には見えない。王様はうろたえるが、家来たちの手前、本当の事は言えず、見えもしない布地を褒めるしかない。家来は家来で、自分には見えないもののそうとは言い出せず、同じように衣装を褒める。王様は見えもしない衣装を身にまといパレードに臨む。見物人も馬鹿と思われてはいけないと同じように衣装を誉めそやすが、その中の小さな子供の一人が、「王様は裸だよ!」と叫んだ。ついにみなが「王様は裸だ」と叫ぶなか王様一行はただただパレードを続けた。
 なお、日本でのタイトルが「裸の王様」なので、何も身につけていない全裸だと思われている節があるが、実際のところは下着だけは身につけている。絵本版などの挿絵もそうなっている。



 事実を事実のまま発言するに、知識は必要ない。必要なのは無知故の勇気だ。
 「王様は裸だ」と叫んだ少年に計算はなかっのだろう。ただありのままを言ったにすぎなかったに違いない。それでも、何人もの大人ができもしないことを、小さな子どもがやってのけたのだ。
 コロンブスの卵とはこのことを言う。


 今回の14歳のアイドル、藤波心ちゃんの発言は、まさに現代の「裸の王様」だ。私も含めた大人たちは、14歳のアイドルの正論に対して、もっと恥ずかしがらなくてはならない。


 発言は知識で決まるのではない。発言は立場で変わってくる。自分の立場を守りたい大人たちの発言は、どんなに知識を持とうとも、単純に良心に従ってのみ、発しているわけではない。そう、皆、「見えない王様」による権力が怖くて、結局、詐欺師に騙されてしまう庶民に過ぎない。

 大人と言えども、時には子どもにも劣る生き物であるコトが、この一件でよくわかった。


2011年04月01日