田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

「君に届け」の最終回を政治家風に読み替える

「君に届け 2ND SEASON」が終わった。
 この最終回episode.12「大事な人」を、政治家の会話として読み替えてみる。そうすれば、きっと恋愛話も、政治の話も、実は根っこのところで一緒なんだって、わかってもらえるはず。
 もちろんネタバレ必至である。


《最終回の主な流れ》
 学祭の打ち上げで、みんながいる校庭にて風早は爽子に公開告白をした。それから、2人は晴れて彼氏と彼女の関係となった。
 次の日、校舎の中の廊下にて、学祭の後片付けで、爽子はゴミ出ししようとしていた。
 そこに風早登場。
「持たせてよ。彼氏の特権で」
 爽子は、彼氏という言葉にドキッとして赤くなる。
「特権だよ。黒沼の役に立つのは、俺の特権」
 ゴミ袋二つ持とうとする風早に対して爽子は、
「やっぱりもう1個は私が持つよ。そうしたら、一緒に捨てに行ってもらえるし」
 風早は、おもむろに昨日のことを語り出した。
「なんかみんなの前でゴメンな。隠したくなくて。もやもやした噂になる前にハッキリさせておかなきゃって思ったんだ。俺が黒沼を好きだってこと。付き合うこと。もう変な誤解でゴチャゴチャしたくないんだ。だから」
「うれしい。伝えようとしてくれているんだな。私にも。周りにも」
爽子は、心の中でそう感じた。
「よかった」
 風早は言った。


 2人がとても良い雰囲気の場面で、ピン登場。教師による強権発動により、風早はどこかへ連れて行かれてしまった。
 1人残った爽子。
「うそ~。今、一緒にいた?」
 爽子の後で、風早と爽子のことを噂する3人の女子高生たち。3人とも風早のことが好きで、とてもショックを受けていた。


「影で泣いている子はいるかもだけど」
 場面変わって、爽子の友人である矢野あやねが゛モップで掃除をしつつ、物思いにふけりながらの発言。


「夢みたいで、うかれて、風早君の顔ばかり思い浮かべて、次に浮かんだのは、クルミちゃんの顔だった。クルミちゃんだけでなく、ただショックな人もいて、その気持ちは全部、ほんのちょっと前の私の気持ちで、その気持ちの上に今、私が立っている」
「振られたけど、ちゃんと間違い無く伝えた」(←爽子の回想による胡桃沢梅の発言)
「あの言葉が無かったら、クルミちゃんがいなかったら」
「ライバルでしょ」(←爽子の回想による胡桃沢梅の発言)
 爽子は、クルミの所に向かって走り出した。


 場面変わって、風早ファンの女子5人組による噂話。
「彼女って本当に? うん。ちょっと前から、噂あったよね。こんなコトになるのなら、あの時にもっときつく・・・・・・。今からでもいっとく?」
「うふっ」
 近くでその会話を聞いていたクルミの笑い声。
「何がおかしいのよ。クルミ」
「そんなんだから、風早に好かれないのよ」
 クルミは5人組を見渡して、そう言った。
「何、喧嘩売ってんの? 元はと言えば、あんたから聞いたよね。貞子(貞子とは、爽子のあだ名)の噂。あんた、私たちを利用したんじゃないの」
「そうよ。だって丁度良かったの。私と同じくらい姑息そうだったから。自分から風早に告白もできないのに、爽子ちゃんに嫌がらせはできちゃうんだもん」
「何さそんなの。あんただって一緒でしょ」
「一緒よ。爽子ちゃん以外は、みんな一緒よ」
 こんな会話をクルミの後で聞いていた爽子。
「貞子。どうなのちょっと本当なの風早のこと。なんでなのよ。ありえないし。弱みでも握ってんの。あれでしょ、吉田と矢野が・・・・・」
 爽子に詰め寄る5人組。
「うるさい。いい加減にしてよ。ゴチャゴチャ言って、情けなくならないの。風早が決めたコトよ」
 5人組を注意するクルミ。
「何よ。偉そうに。あんた、そんなこと言える立場? 噂の出所のくせに。風早に言ったらどうなるかわかってるの?」
「言えばいいじゃない。それを言って、風早にどう思われてもいいならば言えば。何で今さらって、きっと思うよ。そしたら、あんたの下心もきっとバレルよ。下心持ってチクルようなタイプ、絶対大嫌いだよ風早」
「うっ」
「ついでに言うと、爽子ちゃんに何かしたら、きっと風早許さないと思う。絶対、許さないと思う」
 クルミはその場を立ち去った。
「ちょっと、話は終わってない・・・・・・・」
 クルミを追いかけようとした5人組に対して、腕を広げて爽子は動きを制した。
「クルミちゃんのライバルは、私なので」
 そう言うと、爽子はクルミの後を追いかけた。


 屋上で、クルミと爽子は二人。
 振り向いたクルミ。
「何?」
「風早君に告白したよ。付き合うことになったよ」
「何よ。自慢しに来たの?」
「逆だったら、きっと報告してくれた」
「言ったよね。良かったね、なんて言わないよ」
「うん。絶対してくれたから」
「他には」
「ない。報告だけ」
 後を振り向き、その場を立ち去ろうとして歩き出した爽子に対してクルミが声をかけた。
「爽子ちゃん。言ったよね。私はちゃんと伝えたって。爽子ちゃんがいたからよ。爽子ちゃんがいなかったら、私は風早に気持ちなんて伝えられなかった。振られたけどね」
 動きが止まった爽子を追い抜くように歩き始めたクルミが、爽子を追い抜くとき、ささやいた。
「爽子ちゃんが、ライバルで良かった」
 そう言って、クルミは、屋上から出て行った。
 屋上の、更に上の場所で、たまたま梅ジュースを飲みながら、二人の会話を聞いてしまった三浦ケント。


 下校時、下駄箱のある場所で、ケントがクルミに声をかける。
「聞いちゃった。さっきの。貞子ちゃんとの会話」
「何よ」
「いや、ちょっと意外だったかなって」
「そうね。ののしられる覚悟できたみたいだし。そのつもりだったけど」
「あっ、そうなの」
「何も言わなかったから。爽子ちゃん。ありがとうとか、ごめんねとか言われたら、ぶっ飛ばしてやろうかと思っていたんだけど」
「たとえばさぁあ、俺が貞子ちゃんとうまくいけば、とか思わなかったの?」
「あんたじゃ無理よ」
「でへへへ。酷えなぁ」
「無理なのよ。風早が私を好きになるなら、とっくになっている。頑張ったって無理なのよ。実際、全然違うんだもん。他の女子と爽子ちゃん。(風早が)あんな顔するなんて知らなかった。あんなだなんて知らなかった。嫌でもわかるわ。風早が私を好きになることは、これからもないよ。風早が一番嫌うことを、私がやったんだもん」
 ここで、あやねがクルミの肩に手をかけて言った。
「風早に、あんたは無理よ。あんた。あれだね。私が男だったら良かったのにね。そうしたら、あんたの汚いところ、全部わかってやるのに」
 思わず涙ぐむクルミ。
「余計な、お世話よ。これでようやく終われるんだなと思ったら、ちょっとホッとしただけ」
 ゆっくり歩いて、その場を立ち去るクルミ。


「何も言えなかった。何を言っても、ダメな気がして」
「私が爽子でも、同じようにしたと思うわ。かけられる言葉なんてないもん」
 ちずの発言。
「クルミちゃんがいたから、クルミちゃんがいなかったら、クルミちゃんがライバルで良かった。どれも本当だけれども、どれも私が言える言葉じゃない」
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 物語は、爽子と風早の二人のカップルを中心に展開していくのだが、私が俄然注目したのは、胡桃沢梅だった。
 胡桃沢梅を、選挙に落選した候補者として見立てて、会話を読み替えてみよう。


 


女子5人組による噂話。
「当選したっ本当に? うん。ちょっと前から、立候補するって噂あったよね。こんなコトになるのなら、あの時にもっときつく・・・・・・。今からでもいっとく?」
「うふっ」
 近くでその会話を聞いていたクルミの笑い声。
「何がおかしいのよ。クルミ」
「そんなんだから、あんたたちは当選できないのよ」
 クルミは5人組を見渡して、そう言った。
「何、喧嘩売ってんの? 元はと言えば、あんたから聞いたよね。貞子(貞子とは、爽子のあだ名)の噂。あんた、私たちを利用したんじゃないの」
「そうよ。だって丁度良かったの。私と同じくらい姑息そうだったから。自分は立候補できないのに、他の候補者に嫌がらせはできちゃうんだもん」
「何さそんなの。あんただって一緒でしょ」
「一緒よ。当選した爽子ちゃん以外は、みんな一緒よ」
 こんな会話をクルミの後で聞いていた爽子。
「貞子。どうなのちょっと本当なの当選したってこと。なんでなのよ。ありえないし。利権でも握ってんの。あれでしょ、吉田と矢野が・・・・・」
 爽子に詰め寄る5人組。
「うるさい。いい加減にしてよ。ゴチャゴチャ言って、情けなくならないの。有権者が決めたコトよ」
 5人組を注意するクルミ。
「何よ。偉そうに。あんた、そんなこと言える立場? 噂の出所のくせに。警察に言ったらどうなるかわかってるの?」
「言えばいいじゃない。それを言って、警察や有権者にどう思われてもいいならば言えば。何で今さらって、きっと思うよ。そしたら、あんたの下心もきっとバレルよ。下心持ってチクルようなタイプ、絶対大嫌いだよ有権者は」
「うっ」
「ついでに言うと、当選した爽子ちゃんに何かしたら、きっと警察は許さないと思う。絶対、許さないと思う」
 クルミはその場を立ち去った。
「ちょっと、話は終わってない・・・・・・・」
 クルミを追いかけようとした5人組に対して、腕を広げて爽子は動きを制した。
「クルミちゃんのライバルは、私なので」
 そう言うと、爽子はクルミの後を追いかけた。


 屋上で、クルミと爽子は二人。
 振り向いたクルミ。
「何?」
「立候補したよ。当選したよ」
「何よ。自慢しに来たの?」
「逆だったら、きっと報告してくれた」
「言ったよね。良かったね、なんて言わないよ」
「うん。絶対してくれたから」
「他には」
「ない。報告だけ」
 後を振り向き、その場を立ち去ろうとして歩き出した爽子に対してクルミが声をかけた。
「爽子ちゃん。言ったよね。私はちゃんと立候補したって。爽子ちゃんがいたからよ。爽子ちゃんがいなかったら、私は選挙に立候補なんてできなかった。落選したけどね」
 動きが止まった爽子を追い抜くように歩き始めたクルミが、爽子を追い抜くとき、ささやいた。
「爽子ちゃんが、ライバルで良かった」
 そう言って、クルミは、屋上から出て行った。
 屋上の、更に上の場所で、たまたま梅ジュースを飲みながら、二人の会話を聞いてしまった三浦ケント。


 下校時、下駄箱のある場所で、ケントがクルミに声をかけた。
「聞いちゃった。さっきの。貞子ちゃんとの会話」
「何よ」
「いや、ちょっと意外だったかなって」
「そうね。ののしられる覚悟できたみたいだし。そのつもりだったけど」
「あっ、そうなの」
「何も言わなかったから。爽子ちゃん。ありがとうとか、ごめんねとか言われたら、ぶっ飛ばしてやろうかと思っていたんだけど」
「たとえばさぁあ、他の選挙で貞子ちゃんが当選していればよかったのに、とか思わなかったの?」
「他の選挙じゃ無理よ」
「でへへへ。酷えなぁ」
「無理なのよ。有権者が私を選んでいるならば、とっくに私は議員になっている。頑張ったって無理なのよ。実際、全然違うんだもん。他の候補者と爽子ちゃん。(有権者が)あんな顔するなんて知らなかった。あんなだなんて知らなかった。嫌でもわかるわ。有権者が私に投票してくれるなんて、これからもないよ。有権者が一番嫌うことを、私がやったんだもん」
 ここで、あやねがクルミの肩に手をかけて言った。
「当選だなんて、あんたは無理よ。あんた。あれだね。私が男だったら良かったのにね。そうしたら、あんたの汚いところ、全部わかってやるのに」
 思わず涙ぐむクルミ。
「余計な、お世話よ。これでようやく終われるんだなと思ったら、ちょっとホッとしただけ」
 ゆっくり歩いて、その場を立ち去るクルミ。


「何も言えなかった。何を言っても、ダメな気がして」
「私が爽子でも、同じようにしたと思うわ。かけられる言葉なんてないもん」
 ちずの発言。
「クルミちゃんがいたから、クルミちゃんがいなかったら、クルミちゃんがライバルで良かった。どれも本当だけれども、どれも私が言える言葉じゃない」


 風早に振られたクルミとは、選挙で落選した候補者そのものだった。


2011年04月15日