田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

日本の人口が減っても、それほど騒ぐ必要はない。

世界人口、10月末に70億人に 100億人突破は2083年
国連推計 2011/5/4 20:48 nikkei.com より


 【ニューヨーク=弟子丸幸子】国連が3日に公表した世界人口推計(2010年版)によると、世界の総人口が10月末に70億人を突破する見通しになった。これまで世界総人口はほぼ12年間で10億人のペースで増加。2025年には80億人に達すると推定している。だが、その後は人口増のペースが減速。100億人突破は2083年になるとの見通しも示した。


 国連の世界人口推計は2年に1度、改訂される。10年時点での総人口は69億人弱。70億人突破を前に、国連人口基金(UNFPA)は10月24日からカウントダウンを実施すると発表した。


 国別では中国は2030年前後に人口のピークを迎え、その数は約14億人になると推計。一方、インドは2060年前後、約17億人まで伸びるとしている。2100年には総人口は約101億人に達する見込み。同時点での日本の人口は10年比約3割減の9133万人と推定している。
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「少子化は、騒ぐほどの問題ではない」
 これが私の基本的なスタンスだ。
 なぜならば、“少子化”と呼ばれている“人口が減る現象”は、日本という任意の枠を前提にしているからそう思うのであって、この枠に縛られなければ、決して人口は減っていないし、むしろ増えているからだ。


 江戸川区の人口は増えている。
 日本の人口は減っている。
 世界の人口は増えている。


 私は江戸川区議会議員だ。江戸川区を基本に考えたとき、江戸川区の問題は少子化ではなく、むしろ過密化にこそある。その現象は、江戸川区のみならず、東京全体が共通に抱える問題でありながら、気になるのは、その問題意識が希薄なことだ。
 多くの政治家は過密を問題にするのではなく、少子化を問題にしている。田舎の人口減著しい過疎地の議員ならばいざ知らず、江戸川区は未だに人口増による過密地区だ。


 最近、やっと石原都知事が、大震災後に首都機能の一部移転を言い出すようになったが、そんなことは、多くの人たちが昔から言っていたことだ。
 石原都知事は就任当初に何を言っていたか検証してみれば、今とは真逆の、首都機能移転に反対という考え方だった。これだけの思想的変化について、「変わったことに対するコメント」がないことが不思議だ。


 大震災という未曾有の経験をして、やっと石原都知事も学習したのだろう。分散化、つまり過密を防止して国土の多極的利用をすることの必要性を感じたのだろうが、国民から
 「首都移転には反対、首都機能分散なら賛成と言っている。適当な事を言うなよ」
 この様に言われても仕方が無かろう。
 首都機能の移転と呼ぼうが、分散と呼ぼうが、どちらでもいいが、東京一極集中を止めた方が良いという考え方は正しい。ただし、これまで石原都知事は、自説から180度転換するのだから、自分の考え方が変わったことを、都民に対して、誠意を持って説明する必要性があると思う。
 それが真摯な対応というものだ。


 私が、これからを予想する。
 東京一極集中を排し、首都機能移転を徐々に進めていく方向性は正しい。
 少子化は大した現象では無い。日本の人口現象を防ごうとすれば、産まれてくる子どもの数を増やさなければならないが、それはどんなに子ども手当てに予算を割いたところで難しかろう。
 政策誘導によっても、子どもの数を増やすことには限界がある。
 それならばということで、移民を奨励する政策を提唱する人がいる。しかし、これも危険な考え方だ。移民は、分散化して、過密が少しは緩和された東京などの大都市を中心に住み始める。これではいつまで経っても過密はなくならない。
 それに移民政策は、一度入れてしまうと、二度と出て行ってくれとは言えなくなる。日本はいまだに日本という田舎社会だ。どんなに国際的に振る舞おうと、日本は日本であり、固有の価値観からそう簡単に抜け出せるものではない。自分たちの文化を守るという意味からも、移民政策には歯止めをかけなければならない。外国人参政権も反対だ。
 移民政策に反対しても、多くの外国人が日本には入ってくる。外国人参政権に反対しても、多くの外国人が、帰化して参政権を得るようになる。


 いわば、私は急激な坂から落ちていく自動車に乗りつつも、強力なブレーキを踏むことによって、その速度を少しでも緩和しようとしているに過ぎない。日本がこれから、文化的にも血統的にも“国際化”していくことは避けることはできない。ただし、その国際化していくスピードを少しでも遅くすることはできる。国際化とは、何も良いことばかりではない。日本人が日本人としての文化を少しずつ変えていくと言うことだ。そのような変化に対して、ついて行ける人とついて行けない人が必ず発生してしまう。だから、ついて行けない人にも注目して、少しずつ、少しずつ変化を受け入れていこうではないかという提案だ。鎖国思想との違いを認識して欲しい。


 日本はこれからも人口が減り続ける。特に東京での過密が収まってくれることを願う。その分だけ、周辺部の人口が増えてくれることを願う。特に他国と国境を接するような島々は、これからの日本の国防を考えたときに、一定の人口がいないと非常に危険である。空き家に泥棒さん、どうぞおうちに来てくださいと言っているようなものだ。
 国境に面した島々に住んでもらっている人たちには、税金による援助を与えてでも、住み続けてもらった方がいい。尖閣諸島の島々には、すぐにでも定住日本人を配置すべきだろう。


 おおざっぱに言って、日本の人口はここ百年で増えすぎた。
 江戸時代は3000万人。大正元年(1912年)に5000万人。1967年に1億人。2010年で1億2700万人である。


 日本の人口はピークを迎え、これから減る一方だ。それ心配する必要はない。私は発想は、“過密を排する”ことから、限りある人口を、日本という国土の中で、東京だけに集中させるのではなく、どのように分散して配置するのか。その配置の仕方について、政策誘導も含めて考える時期にあるのではないかと思う。

 売上(総人口)を伸ばしても、利益(人々の幸せ)の増大には直接つながらない。売上(総人口)がそれほど伸びなくても、利益(人々の幸せ)が極大となるような、そんなビジネスモデルを新しく考えていくことが、今の日本には必要なことなのだ。


2011年05月05日