体育祭の綱引きから兵法を学ぶ
5月21日(土) 開催のご案内をいただき、地元松江三中の体育祭に行ってきました。
まずは、敷地内禁煙が徹底されているかどうかのチェックです。写真にもありますように、学校の入口には、学校敷地内禁煙の張り紙が何ヶ所も貼られていました。
体育祭をご覧くださっている父母の方々も、来賓・先生方も、誰一人として喫煙者はいません。松江三中では、学校敷地内禁煙が徹底されています。
この様な学校でも、十数年前は、父母や先生方が、当たり前のように敷地内で喫煙していたのですから、様子も随分と変わったものです。微力ながら、自分の主張が少しでも実現している様を見ると、満足感を感じます。
さて、私自身は、おとなしく来賓席に座って、先生、PTAの方々とあいさつして、しばらくしたらおとなしく帰るはずでした。しかし、久々に体育祭に顔を出したのだからと思い直して、PTA来賓競技である綱引きに参加しました。
既に議会はクールビズなので、ネクタイはしていませんでしたが、着ていた上着を来賓席に置いて、入場門に向かいました。最初は、皆恥ずかしがって参加を渋っていた大人たちも、少しずつ人数が増えて、男女混合で20人対20人ほどになりました。
競技は二回戦です。
最初の戦いで、私はすぐに、自分が革靴を履いていることの不利を感じました。どんなに引っ張っても、足元からずるずると滑って、引きずられてしまうのです。競技はちょっとでも差がつけば、終わりというものではなく、審判は圧倒的な差を持って判定したいらしく、なかなか勝負が終わりません。だんだんと私も疲れてしまい、どんなに引っ張っても手に力が入らなくなりました。その内、ずるずると引きずられて、負けてしまったのです。
一回戦が終わり、二回戦が始まる前に、味方の女性陣から「向こうの方が、体重が重いから、私たちは不利よ」という嘆きの声が聞こえました。そうだ、ここでは体重こそ武器なのだ。私はとっさに、自分自身の体重が武器であることに気がつきました。
二回戦目です。一回戦で体力を使ってしまって、私自身もう綱は引けない。それとこの戦いは意外と持久戦なので、勝とうと思うよりも、負けない戦い方を心がけ、相手の体力の消耗を待ってから、徐々に引くのが正攻法だと、私は瞬時に理解しました。
二回戦が始まると同時に、私は綱を引くことを止めて、綱を持って、腰を落とし、充分に体重を乗せて“動かないこと”に徹しました。綱を引っ張りはしないが、引きずられもしない、「動かざること山の如し」という体勢を作って、勝負に挑みました。
私の体重がしっかり乗った綱は、そう簡単には引っ張られません。相手が引っ張っても、引っ張っても、綱は引きずられたりはしません。むしろ味方陣営が、強く綱を引っ張ってしまえば、自分自身が腰をついて転んでしまうほど、腰を地面近くまで落として、私は綱に自分の体重を乗せています。
一回戦がそうであったように、二回戦も持久戦となりました。じりじりと味方も敵も体力を消耗して、膠着状態に陥りました。その中で、少しずつ味方の引きが強くなっていることを感じたときです。私は腰を上げ、一気に引きの体勢に移りました。体重を綱に乗せるのではなく、正に普通に引いたのです。ずるずると相手陣営は引きずられ、我々は勝つことができました。
本来ならば、三回戦を行うべきだったのでしょうが、お父さんもお母さんも疲れたようで、三回戦は行わず、引き分けで勝負は終わりました。
戦い方が持久戦ならば、何も勝ちに急がなくて良い。勝ちに急いだ方が、逆に負けてしまう。負けない体勢を作って、相手が疲れたときに一気に引く。それが持久戦を制する戦い方だ。
単なる綱引きではありましたが、私にとっては、身を以て兵法を知る貴重な経験となりました。
来年は、足元が滑らないように登山靴を履いて参加します。
2011年05月22日