田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

t_ken

日刊田中けん

決算特別委員会2日目(議会費・総務費)

 私の持ち時間は5分である。5分という限られた時間制限の中では、なるべく他の委員と質問内容が重複しないよう気をつける必要性がある。よって、同じ項目で質問するにしても、もし自分と同じ質問を行う委員がいるかどうか、その発言動向を注視していた。決算特別委員会は、必ずしも自分たちの立場を求められ、明らかにする場ではない。
 それならば、重複質問を避け、数多くの質問をぶつけた方が、区民にとっては有益であろうとの判断だ。人気がある質問は、他の委員に任せ、私はあえて誰も取り上げないような論点について、内容をよく精査しながら質問した。


 前日、「悪質な滞納者」とはどのように定義つけているのか、という質問を私がしたので、その回答が資料として机上配布されていた。この資料に基づき、再質問した。


 追加資料ありがとうございます。
 折角、追加資料を出していただいたのですが、これを読む限りですと、やはり「悪質な滞納者」がどのような人なのか、わかりません。
 3ページ目に以下のような記述があります。


>悪質な滞納の類型
>1 納税交渉時に虚偽の回答や財産の隠匿等を行った
>2 収入、財産があるにも関わらず納付しない
>3 納付姿勢に誠意がない
>4 滞納額が多額
>5 滞納期間が相当期間にわたる


 この記述では、やはり「悪質な滞納者」の実態がわかりません。一般論的すぎます。もっと個別具体に教えて欲しい。
「財産があるにも関わらず」の財産があるとは、どれくらいの額のことなのか。私だって100円もっているが、これで財産があるとは言わないでしょう。具体的にいくらからのことなのか。
「誠意がない」とは、どのような行動のことなのか。1回でも滞納すれば誠意が無いと言うことになるのか。
「滞納額が多額」多額とは、いくらのことなのか。仮に滞納額が、1億円を超えていて、ついうっかり期限までに納税しなかった場合は、「悪質」認定するのか。
「滞納期間が相当期間」とは何年のことなのか。1年のなのか、2年なのか、3年なのか、10年なのか。


 これらの記述が、曖昧すぎてわかりません。私があえて過去の事例を紹介して欲しいというのは、定義がハッキリしていない以上、過去の「悪質」認定したケースを教えて欲しいということであって、今、定義がなくても、判例のような考え方で類推できると思ったからです。
 再度、しっかりとした資料の提出をお願いします。


 はい。この場では、田中けん議員がどのような主旨でご発言されたのか、よくわからない部分もありますので、後ほど直接お話しをお伺いさせていただいた上で、改めて資料をご用意させていただきます。よろしいでしょうか。


 はい。結構です。


 ここまでで、本日の質問時間の1分30秒ほど使ってしまった。


 改めて、本日の審査項目である決算特別委員会が開会された。


 議会費では、私は無言を貫いた。


 総務費の広報の項目では、区のホームページと広報えどがわについて、委員の質問が集中した。
 そこで私は、これらの質問を捨てて、コールセンターについて聞いた。
 札幌市をはじめとして、コールセンターを設置して、住民サービスに努めている自治体はある。
 委員とやり取りの過程で執行部が述べた数字だが、区内インターネット利用者は、68%という認識である。逆に言えば、32%はインターネットが使えない区民ということだ。
 広報えどがわは、21万6500部発行とのこと。紙媒体の広報である。
 ホームページと紙があるならば、私は是非、ローテクである電話を活用した区民への情報提供をして欲しいと要望した。これは以前、私が取り上げ、公明党も取り上げていたテーマである。
 どんなにホームページが充実したところで、使い方がわからない人にはわからない。わからないときは、そのままでは、わからないのだ。


 執行部の答弁では、「今の体制ならば、電話一本ですぐに担当者におつなぎすることができます」とのことだったが、区民が知りたいのは、何も専門的なことばかりではない。職員からすれば、誰もが知っているような他愛もないようなコトだったりすることが多い。つまり痒い背中に手が届くぐらいの質問をコールセンターにはしてくるという統計が、既に先駆的自治体である札幌市にはある。それを踏襲して考えれば、電話で直接話しているオペレーターが、マニュアルに沿って、その場で回答すれば良いことも多いのだ。
 現状の江戸川区からすれば、「担当職員が即座に対応」が真摯な姿勢のように考えるかも知れないが、逆に担当職員が即座に対応してしまえば、その時間分だけ、担当職員が本来の仕事ができなくなるということにもつながるのだ。
 簡単な質問ならば、オペレーターが答える。この様式を一般化して、区民が気軽に役所に電話できるようにした方がいい。今のように、「担当職員が直接対応」とは言っても、本当に、ひんぱんに区民から電話が来て困るのは、当の担当職員であることは承知しているはずだ。だからこそ、区の電話番号は大々的に書かれてはいないではないか。
 担当職員をなるべく雑務から解放するためにも、コールセンターの設置は必要不可欠であり、是非、検討を望む。


 執行部からの回答は、検討するだった。


 次に、区民相談に関係して、弁護士による法律相談について質問した。葛飾区には、法律相談した区民が、相談を受けた弁護士に、そのまま弁護を業務として依頼できる「直接受任制度」がある。
 相談者である区民からすれば、江戸川区で法律相談して、また都心中の法テラスなどで法律相談して、そこで紹介された地元近くの弁護士に対して、また法律相談するというように、同じ事を2度3度と話さなくて済むのが、直接受任制度である。区民の利便性を考えたら、この様な制度を導入することを検討してみてはどうか。


 担当課長の答弁を遮って、区長自らが答えた。
 江戸川区の弁護士会と話をして、区の法律相談を窓口にして、自分たちの仕事に誘導する(直接受任制度のようなこと)のは、止めようという紳士協定があるので、区としては、それを尊重したい。
 この様な回答を得て、この質問を終えた。


 情報システムの項目になったとき、私からは、全庁舎および各種区民施設において、誰もが使える無線ランを導入してはどうかと提案した。これからは、各公共施設では、気軽にインターネットを使える環境が望ましい。その一環として、区もその流れに沿って、対応すべきではないか。それに無線ランは個人でも導入可能な技術であることから、導入経費も多額になるとは思えない。


 今後、検討するとのことだった。


 選挙の項目では、以下のような質問をした。


 今の区議会議員選挙では、事前審査の書類は、封をして、各候補者の事務担当者に返却して、立候補当日にその書類を持ってきて、立候補の受付とするという対応を取っている。しかし、当日持ってくる書類を、一度、持ち帰らせて、更に立候補当日に持ってこさせるというのは、万が一不測の事態になれば、その書類を紛失したり、事故に巻き込まれて破損させてしまったりということが、今後起こらないとも限らない。
 他の自治体では、事前審査が終わって、立候補に必要な書類が揃えば、それを選管が預かって、立候補当日に開封して、立候補の届け出完了とするところもある。江戸川区は、そのような他自治体における対応を見習って、事前審査の済んだ立候補手続きに関する書類は、選管で責任を持って預かることはできないか。


 他の自治体の例を参考にしながら、検討する。


 国政選挙など本来は国がやるべき事業を、今は費用を各自治体持ちにして、肩代わりさせているという実態について、国による不当な自治体への干渉であるとの不満が相次いだ。
 そのぐらい、選挙にかかる経費は、自治体財政に負担をかけている。よって、選挙にかかる費用は可能な限り削減しなければならない。
 そこで私は、経費削減の一環として、ポスター掲示板の常設化を考えてみてはいかがだろうかと質問してみた。特に、一年に何度も選挙がある年がある。その場合、ポスター掲示板を設置しては、取り外し、取り外しては、設置するようなことが続けば、無駄に経費を使うことにもならないかという問題意識からだった。
 選挙がないときは、区の広報などに使えばいいし、ポスター掲示板区内512ヶ所全部を常設化しなくても、公共施設などにあるものだけでも常設化などはできないかとの提案をしてみた。


 法律等を鑑みながら、検討するとの回答だった。


 2日目の決算特別委員会が終わった。


2011年10月04日