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日刊田中けん

医者と警察官は、飲酒できない職業なのか

祇園車暴走:交通部長が当日飲酒…懇親会に出席 京都府警
毎日新聞 2012年04月16日 11時33分(最終更新 04月16日 12時02分)


 京都市東山区の祇園で軽ワゴン車が暴走し通行人7人が死亡した事故で、発生当日の12日夜、京都府警の山形克己交通部長が、府警の署長らが参加する懇親会に出席し、飲酒していたことが16日、分かった。安森智司本部長も出席し、飲酒していた。
 府警総務部によると、懇親会は春の定期異動に伴う署長会議の後、午後6時すぎから府警本部近くのホテルで開かれ、府警幹部ら約90人が参加。ビールや日本酒などのアルコールが出された。
 山形部長は飲酒した後、午後8時ごろに退席し、事故の捜査を指揮するため府警本部に戻ったという。
 懇親会が始まった午後6時ごろの段階で、藤崎晋吾容疑者(30)を含む死者8人は確認されていたが、負傷者の数やけがの状況など詳細は判明していなかった。
 山形部長は「(事故への対応で)署長会議を途中退席したためにできなかった業務指示と事故捜査への応援を依頼するため、懇親会に出席した。酒に口をつけたのは配慮が足りなかった」と話している。
 水野誠・府警総務部次長は「懇親会の中止は検討しなかった。配慮が足りなかった」と話している。【堀智行】
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 今回の祇園暴走車事件では、事件発生後の懇親会時に、担当警察官が飲酒していたことが問題視された。ただし、警察関係者から聞いた話によると、この場合、山形交通部長はあくまでもスタッフであり、指揮権を持つ安森本部長が、飲酒していたことの方が、より大きな問題になるだろうとのことだった。
 この様な事件の場合、指揮権を発動するのは、京都府警察本部長、または担当署長だろうとのことだった。そのような者達が、事後の懇親会に出席し、飲酒したことは問題外との見解だ。


 さて私の問題意識は、直前、最中、事後という時間帯についても関係するが、医師や警察官や消防士のように、緊急時に際して、非番であっても仕事が求められる職業のあるべき姿についてである。


 以前、救急患者が来て、そこに飲酒していた医師が立ち会って、問題になる事件があった。
2009年におきた愛染橋病院での事件である。
 自分の日記を振り返ってみると、2009年4月20日の日記(http://www.t-ken.jp/diary/20090420)で、この事件に軽く触れている。


 今回の祇園暴走車事件の場合、警察官の飲酒が当日の夜、つまり事後と言うことで問題視されたが、それでは事件発生時の直前、最中における飲酒はどう位置づけられるのか。


 問題を整理してみよう。
1.業務中の飲酒は禁止
2.休暇中の飲酒は可能
3.オンコール時の飲酒は可能か。


 オンコールとは、当直ではない医師が、緊急時にあって医師が不足したときに、真っ先に病院へ駆けつけられる範囲内に待機している事を示す、医療現場での使われている言葉である。
 医師に限らず、警察官なども、完全な非番という休暇があるかどうかは不明だが、明確な規定の有無にかかわらず、24時間、常にオンコール常態にあると考えられなくも無い。


 担当者が私のように、常時飲酒の習慣を持たなければ、問題は無かろうが、飲酒しない成人などごく僅かだろう。では、どんな時に飲酒が可能なのか。または飲酒時に緊急事態が発生した場合は、どのような対応が可能なのか。これはこれでしっかりと、危機管理マニュアルで取り上げるべき項目だろう。


 ちなみに医師の場合、飲酒時の業務は禁止すべきだ。また緊急避難として、代替医師がいない場合、仮に飲酒中の医師が対応するとしても、その対応行為、及び、その結果に対する責任は免罪されることを事前にルール化しておかないといけない、とのことだ。


 医師や警察官ではないが、役所の職員であっても、災害時や人が死ぬような事件を発生した場合、緊急出動を求められるときがある。その時、飲酒していた場合、次に取るべき行動はどうなるのか。同じく、危機管理マニュアルの中で対応していかなければならない課題だ。


2012年04月16日