田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

委員会資料の作り方

 2012年8月6日10:00から行われた熟年者支援特別委員会での発言を紹介します。
 厚生労働省が「平均寿命」と「健康寿命」を発表したので、健康部より、その報告が資料によってされました。

 健康寿命とは、日常的に介護を必要としないで、自立した生活ができる生存期間のことです。
WHOが2000年にこの言葉を公表しました。平均寿命から介護(自立した生活ができない)を引いた数が健康寿命になります。

 資料に示されたとおり、「健康寿命」を基に全国の都道府県別に、降順で並び替えると、東京都の位置づけは、男性が33位、女性が41位になります。私が注目し、指摘したのは、東京都のランキングではなく、健康部が作った資料のあり方でした。


 折角、厚生労働省の都道府県別のデータが発表されたのだから、「なぜ江戸川区のデータはここにないのか」ということでした。私が所属している熟年者支援特別委員会は東京都の委員会では無く、江戸川区の委員会です。それならば、都道府県別のデータであっても、参考値として、江戸川区の健康寿命と平均寿命を、資料に書き添えた方が、今、江戸川区の置かれた位置関係が、わかりやすいだろうと言ったのです。
 それに対する健康部の答弁です。「平均寿命は調べればすぐにわかるとしても、健康寿命の算出方法はとても難しく、江戸川区ではその数値をもっていません」とのことでした。
 それに対して、私が、「東京都算出の健康寿命は、69.99歳と表記されている。これはどういうことなのか。江戸川区の数値が無いのに、なぜ東京都が数値を算出することができるのか、不思議では無いか」と発言しました。
 それに対して、健康部では「東京都は色々な調査によって、この値を求めたのでしょうが、詳細は調べてみます」との回答でした。人の生き死には、比較的わかりやすく、自治体としても正確な数字を把握しているでしょう。しかし、健康寿命という概念は、概念としては正当であっても、その実態を調べ公表するには、いつ健康寿命が終わったのかを判断しなければならず、一時入院などをどのように扱うかなども含め、難しい認定作業を必要とするのは、江戸川区健康部の認識通りだと思います。
 それならば尚更、公表された数字は、“目安”でしかないことを認識の上、理解しなければなりません。平均寿命に対する信頼度は高いが、健康寿命に対する信頼度は、相対的に低いと、私は主張します。


 「健康寿命の算出方法が難しいにせよ、もし可能ならば、江戸川区の数値もここに加えて、再度、この様な資料を、次回の委員会に提出していただけるように要望して、私の質問を終わります」


2012年08月06日