田中けんWeb事務所

江戸川区議会議員を5期18年経験
巨大既存権益組織に斬り込みます!

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日刊田中けん

ガンで死ぬことを評価する

 2012年8月6日10:00から行われた熟年者支援特別委員会での発言を紹介します。


 各委員会では、必ず最後に
「その他、何かご意見、ご質問等はございませんか」
 というように、「その他」の枠がある。
 委員会に関係することならば、大抵のことはここで発言できる。既に委員会の中で終わったような問題であっても、その時言い忘れたなどの理由により、この最後の時間帯で、もう一度、質問なり、見解を述べることができる。
 私はこの時間帯を利用して、江戸川区執行部に対して質問をしてみた。


「先程来、ガンによる死亡率を低下させなければならないとの主張が延々とされてきました。仮にそれはそれで良いとした場合、執行部は、相対的にどんな死亡率を高めることが良いと考えるのでしょうか。教えてください」
 この様な私の、“嫌らしい質問”に対して回答があった。
「どのような死に方が良いかとは、一概には言えません。哲学的思考にも通じることであって、個人、人それぞれだと思います」
 このような優等生的回答があった。
 それに対して、私は自説を述べた。
「『どのような死に方が良いか、一概に言えない』はたして、そうでしょうか。人は色々な死に方をします。人に殺されたり、今回の大震災のように、災害で亡くなったりもします。そのような死に方と比べて、ガンという死に方が悪い死に方と言えるでしょうか。医療関係者の中には、多くの日本人がガンで亡くなるというのは、『それだけ日本が平和で過ごしやすい国だという証明である』と言う人もいるほどです。事実、先程来、日本の平均寿命の事が話題になり、東日本大震災以前は、世界第1位の長寿大国であったとの報告がありました。人は100%間違い無く死にます。割合にこだわった理解をしようとすると、東日本大震災によって、多くの人が死にましたが、それによって相対的に言えば、日本でのガン死亡率は低下したことになります。この“ガン死亡率の低下”だけを見て、日本は良い国になったといえるのか、ということです。評価が全く逆じゃ無いですか。私はあえて踏み込んだ意見を言いますが、殺されたり、災害で亡くなる人が多い世の中よりも、ガンで亡くなる人が多い世の中の方が、良い世の中だとは言えませんか。このようなことを、専門家の中にはおっしゃる方もいるのです。もちろん、若い時期にガンで亡くなるのは不幸なことですが、ある程度の年齢を重ねた方が、ガンでお亡くなりになることは、ご本人やご親族の方々にとっては不幸なことであっても、相対的に考えれば、幸せな一生であったと言えないかということです。そのように考えた場合、先程来、江戸川区では、色々な形でガン検診を行って、早期発見、早期治療に努めているとのことですが、果たしてどれほどまで、そのようなことをすべきなのかは、議論の分かれることではないでしょうか。我々は、現代人として生きている以上、科学的常識や時代的な価値観に拘束されます。しかし、この科学的常識が50年後、100年後まで通用しないというのは、これまでの科学史が証明してきたことです。今、私たちが当たり前のようにやっている様々な施策でさえ、未来のある時点からすれば、陳腐化することもあるのです。医療に関係する問題については、今は異端と言えるような少数の専門家の意見にも、しっかり耳を傾けて、同意はせずとも、充分な情報収集はして欲しいと思います。そして時には、大胆な政策転換の一助にして欲しいと思うわけです。そのようなことを踏まえて言えば、健康診断は必要ないとか、ガンは発見されたら、そのまま放置しておくことが良いなどと言う専門家もいるということをお伝えして、私の意見とさせていただきます。これからの江戸川区の行政施策の参考にしてください」


 ほぼ、同様の発言をして、その他の事項における私の意見としました。私はこれからも、少数の専門家の意見を参考にしながら、常に行政施策を検証し続けていきたいと考えています。


2012年08月07日