2012年9月28日 第3回定例会一般質問全文
通告に従い質問します。
まずはロータリー交差点についてです。日本ではそれほど馴染みがない交差点ではありますが、外国に行くと、しばしば町中で見かけます。
ロータリー交差点に注目するようになったのは、3.11東日本大震災以降です。私は震災後、約一年経って東北を訪れましたが、田舎道を走ってみると、一年経ってもまだ動いていない信号を何度となく目にしました。
「あれから一年も経っているのにまだ復旧していないのか」
これが私の偽らざる感想です。
信号が止まっているのですから、交差点を通過しようとする車両はどれもおっかなびっくり進もうとしているように見えました。
震災以後、関東では、計画停電が実施されました。その時、同じく信号機が止まって動かなくなりました。それによる混乱が原因で、交通事故が何件かありました。お亡くなりになった方もいました。この様な事例から、もし日本の交差点がロータリー交差点であったのならば、そもそも信号機が必要ないのですから、お亡くなりになる人も少なかっただろうにと、悔やまれます。
ロータリー交差点は、一つの具体例でありますが、江戸川区という自治体レベルであっても、なるべく電気を使わない行政のあり方を模索してはどうかということです。
区長には、ロータリー交差点に対する研究と導入の検討も含めたお考えと、その背景にある思想として、なるべく電力を使わない行政運営についてのお考えをお聞かせください。
次に学校統廃合に関係して質問します。
これまで私は区長に対して何度も、区内小中学校の敷地をもっと広げて欲しいとお願いしてきました。それに対して、区長は繰り返し、お金が無いことを理由に、私の提案を拒否してきました。
今年、私が所属する文教委員会で、秋田市立旭南小学校を視察してきました。20,414㎡と広い敷地面積です。江戸川区の一般的小学校の敷地面積は、8,000㎡です。3倍近い広さの違いがあるのです。敷地面積が広いのですから、当然校庭も広いわけです。秋田の学校関係者とお話しして、やはり子どもたちには広い校庭が必要だと、視察を通じて私は確信した次第です。
翻(ひるがえ)って、江戸川区の子どもたちは何と狭い校庭で学ばざるをえないことでしょう。単純に校庭の狭さから、教育環境の悪さを痛感しました。このような都市と地方の教育環境の格差を、区長はどのようにお考えでしょうか。
そこで区長に提案したいのは、これから本格的な学校統廃合を目前にして、在籍児童や生徒の数だけでなく、敷地面積の広さも加味して、施策を進めて欲しいということです。
適正配置という地政学的考察もありましょうが、それと同時に、わざわざ狭い学校を残すのでは無く、敷地面積の広い学校に児童・生徒を集約させて、広い校庭を有効に活用していく方法もあるだろう、ということです。
また同じく文教委員会で訪れた盛岡市では、学校統廃合に関連して、小中学校を一緒の敷地に建設して学校運営するという試みが紹介されました。様々なメリットがある小中学校の合築については、江戸川区でも検討に値するはずです。
区内49k㎡にあって、学校の敷地面積が占める割合が同じであるならば、学校が分散しているよりも、学校を統合して、数少なく運営した方が、敷地面積は広くできます。
区長に期待するのは、お金が無いならないなりに知恵を絞って、それでもなお広い校庭を実現して欲しいということです。そのためには学校統廃合が良いきっかけとなるでしょう。同時に小中学校を、同じ建物として合築して行う運営が、広い校庭を実現するはずです。
広い校庭の実現に向けて、お金が無いからと言って、頭から否定するのでは無く、知恵を絞って、可能性を検討していただきたいのです。区長のご見解をお聞かせください。
次に庁舎内に託児室設置を求める質問をします。
まずは一寸(ちょっと)したエピソードから。
この前、とても静かで雰囲気の良い喫茶店に私は行った。
ココアを飲みながら、BGMとして流れてくるグレゴリオ聖歌を私は静かに聞いていた。
隣の席には家族連れが座っていた。
その中の一人、小さな子どもが騒ぎ出した。
パンパンパン。パンパンパン。
何度も手を叩くのだ。
私は従業員を呼んで、隣の客を注意するように言った。
パンパンパン。パンパンパン。
子どもは手を叩くことを止めなかった。
「うるさいよ」
隣の客を直接注意する私の声が、全体の静寂を飲み込んだ。
「障害があるのです」
その子の親は、このように言った。
「そんなことは知らない」
私はその言い訳を、即座に否定した。
緊張した雰囲気を察してか、すぐに従業員が私の所にやってきた。
「申し訳ありません。障害のあるお子さんとはお聞きしていたのですが・・・・・」
「障害の有無にかかわらず、騒ぐ客は他の客にとって迷惑です。なぜ店は注意しないのですか。私がこのように直接注意しようと思えば、注意もできますが、それだと大事になると思ったから『注意して』と頼んだのに、なぜ最初から店は動かなかったのですか。過去に私が直接注意したことで、店内で大立ち回りになったこともあるのですよ」
そう言って、私は遅すぎる店の対応を批判した。
「お客様、あちら側にお席が空きましたので、もしよろしければ、移られることもできますが、いかがいたしましょうか」
従業員は少し離れた空席を指さして、私に移動を促した。
「わかりました。では移動させていただきます」
私が席を移動してからしばらくして、手を叩き止まない子どもを含めた家族は、店を去って行った。
これは日常的に誰もが目にする一寸(ちょっと)した出来事です。このエピソードからもわかるように、日本の文化は子どもを注意しません。それは単に一般の人だけで無く、職業として、その場の管理責任者であっても同じ事なのです。
静かにしなければいけない場所では、静かにしなければいけない。静かにしない者がいれば、静かにさせなければいけない。この当たり前の事が、1人の子どもの登場によって、簡単に破られたとしても、大人はそれをどうしようもできないわけです。
さて、振り返って江戸川区議会の話です。今、私は文教委員会に所属していますが、子どもに関する話題が多いだけに、委員会室に子連れのお母さんが傍聴に来られます。
子どもにとってはつまらない委員会のはずです。そんな子どもがじっとしているはずがありません。
当然、騒ぎます。
それにも関わらず、委員長をはじめとして、副委員長も誰もその子どもと親を注意しません。退室も命じません。
あくまでも親の自主的判断による退出を、暗に期待するだけであって、直接的には言わない。果たしてこれで、委員長・副委員長は、責任を全うし、事態を掌握していると言えるのでしょうか。
本来は、その場を仕切るべき立場にある者の仕事なのですが、彼らが果たすべき仕事をしなければ、いつか一委員である私が、その子どもに直接注意しなければならなくなることもありうるでしょう。
そう、あの静かな喫茶店にいた時の私の様に。
もちろん区政に興味関心を強く持つ大人には、大いに委員会を傍聴していただきたいのですが、子連れは困ります。
ではどうしたら良いのでしょう。短期的には、子連れでの委員会傍聴はお断りすべきです。中長期的には、庁舎内に託児室を作って、傍聴希望の親子には、例えば小学生以下の子どもは、委員会を傍聴できない旨を説明して、別室に子どもを預けていただくなどの対応が望まれます。
またこのような託児室があれば、お子さんがいることで、来庁されることを躊躇わなくて済むので、委員会の傍聴以外でも、来庁者が増える可能性もあります。きっと子連れの区民からは、とても喜ばれると思います。
または託児室とは違った視点から問題解決を試みれば、親子が一緒になって議会を傍聴できる、委員会室とは別のモニタールームなどの設置も、案としては浮上してきます。
常設仮設を問わず、今現在、庁舎内には託児室なり、モニタールームなりの設置が求められていることは事実です。
今回は、議会における委員会での例を紹介しましたが、それらの部屋を具体的に作るとなれば、スペースの問題、その場を管理する人員の問題など、行政の協力なくしては、できないと察します。そこであえて、私は一般質問で取り上げました。区長の考えをお聞かせください。
次にタバコ問題について、全般的に質問します。
9月21日11:47、第三庁舎入口前にて、私は喫煙者を発見しました。少し観察していましたが、職員の誰かが注意するということもありませんでした。
この事実は、現行の江戸川区では庁舎内禁煙がなされていないだけで無く、建物外ならば、庁舎の敷地内であるにも関わらず、恒常的に喫煙が許されているという証拠です。
この事実を踏まえて、区長には4点うかがいます。
1.現行ルールでは、庁舎建物内にあって喫煙室でのみ喫煙が許されると理解していますが、庁舎の敷地内にあっては、喫煙の可否について、どちらの理解でよろしいのでしょうか。
2.もし喫煙室を除く庁舎敷地内禁煙であるとするならば、今現在、事実上の喫煙所となっている、地下駐車場入口や第三庁舎前などには、禁煙の張り紙を大きく掲示して、喫煙者に注意を促す必要があると思いますが、いかがでしょうか。
3.区長は以前、本年4月1日から庁舎内を全面禁煙にするとおっしゃいました。しかし実際は、それが延期されて現在に至っています。過去の答弁では、「検討する」でしたが、あれから時間は経過しました。既に「検討する」というお答えでは納得できない段階に来ています。お約束通り一刻も早い全面禁煙を実施していただきたいと思いますが、その時期はいつになるのか明確にお答えください。
4.タワーホールやグリーンパレスなど、喫煙室があるにも関わらず、ホール等の室内における喫煙が確認できる施設が、現在もあります。これは明らかに健康増進法第25条違反です。施設管理者には、喫煙室外での喫煙者を発見したら、その場で注意するなどの責務を果たしていただきたい。
少なくとも施設管理者が、喫煙を助長するような、ホールでの灰皿の提供などは、よもや行わないように運営していただきたいのです。そのためには各種区民施設における灰皿の全廃が必要です。それはできますか。区長答弁を求めます。
最後に自治体外交について、うかがいます。
江戸川区は昔から、ゴスフォード市と姉妹都市関係にあります。区民がオーストラリアへ行ったり、オージーが日本に来られたりして交流を深めてきました。同じく区議会では昔から、日華親善議員連盟改め、日台親善議員連盟として、台湾の方々と深く交流を続けてきました。
私はこれからも江戸川区にあっては、民主主義の価値観を共有する反日では無く、親日的国家の自治体とは積極的に交流を図るべきかと考えますが、区長のお考えをお聞かせください。
以上で、私の第1質問を終わります。
2012年09月28日